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孫のお宮参りに飛来したツマグロヒョウモン

2010.3.4 更新

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 2005年4月17日、初孫源斗(げんと)君のお宮参りに鎌倉の鶴岡八幡宮に行った。当日はくもりで肌寒く蝶の姿は見られなかったが、参拝の後、境内の参道で写真を撮っていると、足元に小型のツマグロヒョウモンの雌が飛来してきた。網は持っていなかったが、これも神様の思し召しと手で採集し、源斗くんが蝶好きな子供に育つてくれることを念じつつ、標本にして写真のような記念額を作った。

 ツマグロヒョウモンは、タテハチョウ科の豹柄のある美しい蝶で、幼虫はスミレ類を食し、黒色で背に一本赤い筋があって、多くの突起があり、一見グロテスクだが刺すこともなく毒も無い。

 この蝶は本来九州、四国、本州南西部に生息し、関東ではほとんど見られなかった。私は高校生だった1955年9月に、宇都宮市の自宅の庭で採集してことがあるが、当時としては珍しい記録で、これ以降栃木県では2000年まで数例しか知られていない。

それが、1990年代以降東海地方から関東南部で見られるようになり、2002年以降は関東北部でも頻繁に見られるようになっている。私の住む鎌倉市でも、7~8年ほど前から市街地で春先から秋まで普通に見られている。

 このようないわゆる「北上する蝶」は、ナガサキアゲハ、クロコノマチョウ、ムラサキツバメなどが知られ、地球温暖化の影響ではないかと、何度もマスコミで報じられている。

 熱帯の蝶と温帯の蝶には決定的な違いがある。それは冬を越す方法を身につけているかで、それを持たない熱帯の蝶は、気温の上昇とともに、春から夏にかけ北に分布を広げるが、結局は冬になると寒さで死んでしまい土着することは出来ない。ところが温暖化のせいか、気温の上がり、南の蝶が冬に生き残れる境界線は徐々に北上し、そのため分布域も少しずつ北に広がってきたようである。

 このような温暖化の現象が農業の病害虫発生にどのような影響があるか、例えば水稲の害虫のニカメイチュウは年2回発生だがそれが、年3,4回の発生し、被害が拡大するのではないかと極端な話も出ている。しかし、日本では病害虫の発生は都道府県の防除所による発生予察が充実し、的確な防除も指導されており、当面は問題は少ないと思われるが、「北上する蝶」を他山の石として注意深く見守ることも必要かもしれない。

初参りの記念額

クサギの花に飛来したナガサキアゲハの雌

クロコノマチョウ

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